2026/10/13 07:00

▲青々とした緑が眩しく、雑草も旺盛になる春から夏の雑木林。

春の収穫が終わっても、雑木林での仕事は続きます。

草を刈り、原木を並べ、古くなったホダ木を整理する。秋からの収穫に向けて、しいたけの育つ環境を整えるのが、私たちの春から夏にかけての仕事です。


KOBAYASHI FARMのホダ場は、水戸市内の雑木林のなかにあります。ホダ場とは、しいたけを育てる原木「ホダ木」を並べている場所のことです。春に菌打ちした原木を並べ、伸びてくる草を刈り、作業のために歩く場所も整えます。また、私たちは伐採した木をなるべく無駄なく使いたいので、太く一本ずつ重さも形も違うホダ木が多く、動かして並べ直すだけでも力と調整が要ります。

▲秋までに、すべてのホダ木を、上下を入れ替える「天地返し」をしながらお引越し。刺激となり、発生を促す効果もあります。


4〜5月にホダ木を持ち上げると、その下でカブトムシの幼虫たちが眠っている姿を見かけます。しいたけを育ててきた木が、朽ちていく過程で、虫たちの寝床にもなっているのが、原木栽培のユニークな点です。

▲ホダ木を動かすと…?

春は、冬眠から覚めた虫たちも動き始める季節です。スズメバチの姿に、思わず身構えることも多々ありますが、ホダ木を動かす作業は、そんな雑木林の生き物たちの息づかいを、間近に感じる時間でもあります。


2026年6月から9月にかけては、台風や大雨の影響で、この雑木林でも初めて倒木が相次ぎました。いつもの手入れに加え、倒れた木を切り分け、片付ける作業も必要になりました。また、近隣から譲り受けた土を使い、低くなっている土地をかさ上げして整えました。身近なところにある資源も活用しながら、雑木林の環境を整えています。

▲倒木の様子。倒れた木の片付けに加え、土を運んで地面を整える作業にも、多くの労力と時間を費やしました。

しいたけを育てることは、その周りの環境に手を入れ続けることでもあるのだと感じます。雨や風によって変わる雑木林の状態を見ながら、その都度、必要な作業を重ねています。


一方、何年もしいたけを収穫してきたホダ木は、どんなに重く硬かったものでも、手でひと握りすると崩れるほどにもろくなっていきます。まさに諸行無常を教えてくれるのも原木栽培の奥深さで、木の姿や手触りの変化から、積み重なった年月を感じられるのは、面白いです。

▲古くなったホダ木。樹皮は剥がれ、芯が無くなり、脆くなって簡単につぶれます。雑木林に埋め、自然に還します。

収穫したしいたけだけでは見えにくい、こうした雑木林での時間も、原木栽培の一部です。


人も、生き物も、木々も心地よく過ごせる雑木林を守ること。それが、おいしい原木しいたけにつながると私たちは考えています。